レッスンの５分野

モンテッソーリは子どもの全人格や身体が発達するために必要な概念を「日常生活」「感覚」「数」「言語」「文化」の５つに分けています。

各分野には、個別に対応した数多くの色とりどりの教具が存在します。子どもは大人の援助を受けながら、自主的に教具を動かし学んでゆきます。

学びの過程においては子どもの意思が大きく尊重されます。

大人からの押し付けではなく、子どもたちの欲求や自主性や独立心や優先することで、子どもたちは驚くほどの集中力をみせ、熱意や感動を示しながら活動(またはお仕事)を繰り返すようになります。

そうした活動の全過程を通して、子どもは「学びとは何か」を体験し、本当の考える力を身につけた「自立」した人間へと成長していくのです。

日常生活

子どもは、物事のはっきりした順番や分かりやすい決まりごとを知ったり守ったりすることで、心に大きな安定を覚えます。

このレッスンは、人の実生活において特に必要とされる活動を、本物の道具を手に取りながらマスターします。

巧緻性・記憶力・行動力を効果的に高め、観察力や分析力を養います。

基本的なご挨拶や立ち居振る舞いなどを自然なかたちで学び、自立心とともに協調性や社交性を身に付けてゆきます。

子どもは、自分の身体の感覚を実際に使うことで、見たり聞いたりするのと実際にやってみるのとでは、驚くほど違っていることを発見します。

この活動では、バランスのとれた五感の発達を目指します。

多少・高低・軽重・濃淡・明暗・質感などの概念をしっかり自分の器官でとらえ、分析し、表現することで、物事への理解力がぐんと深まります。

幾何の入り口へも足を踏み入れます。

子どもは、常に新しい言葉を取り入れて、自分の気持ちや考えを表す力を伸ばし続けています。

聞く・話す・読む・書く……言葉の四つの技能を磨いてゆくことは、物事を順序立てて考え、感情や意思を思いのままに表す能力を育てます。

これらは、子どもが自らの世界を創り・表現し・切り開き、力強く豊かに生きてゆくための、大切な支えになります。

子どもにとって、疑問に思ったことの答えを自分で導き出すということは、大きな自信と自己信頼を得るための、大切な行為です。

初等数学の基本である数・十進法・連続数・暗算・分数・幾何を、機能と操作性に優れた教具を用いてじっくりと学びます。

自力で誤りを見つけて訂正できるよう導かれるため、おのずと探究心や発見の喜びが芽生えます。

好奇心の盛んな子どもにとって、外界に存在するものは、全てが新鮮で探索せずにはいられないものです。

これは、国や民族の歴史的・社会的文化遺産を誇り、大切に考えられるようになる活動です。

さまざまな文野や自然科学に親しみます。歴史・地理・天文・地学・動物学・植物学・生物学・科学など、各学問の初歩に触れてゆくうちに、自分の好きな物事に出会う喜びを知ります。